動物病院税務調査4(棚卸し)

棚卸しとは、簡単には決算日時点において使用していない薬品や医療用消耗品費を金額で算出することをいいます。

1年に1回は最低棚卸しが必須となりますが、この棚卸しは結構時間も取られ大変な作業だと思います。

ただ、一生懸命時間を割いて棚卸しをしてもそれが誤ったやり方や棚卸しの理解が不十分だからこそ指摘を受けてしまう部分もあるため、この際しっかりとした棚卸しを実施しましょう。

誤りの多いケース1(預け在庫)

予防薬の仕入れでは、1~3月頃にキャンペーンを行っている業者も多く、大半の動物病院はそこで大量の仕入れを行う傾向にあります。

大量の仕入れをしても、院内に置く場所がないので、業者が一時的に保管しているいわゆる「預け在庫」がある場合には、これも棚卸しとしてカウントしなければなりません。

院内にないため、棚卸しに含めていない動物病院も多く見受けられるため、預け在庫もしっかりと棚卸しに含んで申告しましょう。

また、業者の請求書を見ると期末直前に仕入れた(預け在庫ではなく、実際に動物病院内に納品されたもの)ものを容易に確認することができます。

期末直前に大量に仕入れたものが、棚卸しに記載されていない場合には棚卸しの漏れではと指摘を受けるケースもあるため、漏れのないように心がけましょう。

誤りの多いケース2(輸入品)

海外薬は国内の薬よりも安価なものがあり、また日本では販売されていない薬もあるため、これらを海外から輸入される動物病院も多く見受けられます。この輸入品についても、決算前に発注、資金決済した場合には、決算日にまだ商品が到着していないときでも棚卸しに含める必要がありますのでご留意ください。

誤りの多いケース3(数量の数え方)

動物病院の古くからの風習なのか、開業された先生に聞くと、前職の動物病院では、箱を開けたらそれは棚卸しにカウントしないという方が多く見受けられます。

確かに、封を開けた箱の中の細かな数を1つ1つ数えるとなるとかなりの時間を要することになりますが、税務上は正確な個数での申告が必要となります。

税務申告のために1つ1つ時間をかけて数えなければならないのですが、私個人的な見解では、大きく数値が乖離しないのであれば目分量(箱の1/3程度残っている場合には0.33個など)レベルでも全くカウントしないより「0」よりはましだと思います。

また、単価の高い整形で使用するプレートや吸収糸、免疫抑制剤などはしっかり数えるなどの対応は必要と思いますので院長や顧問税理士に相談の上でご検討頂ければと思います。

誤りの多いケース4(単価)

単価の算出には色々な計算方法がありますが、多くの動物病院では最終仕入原価法(もっとも新しく仕入れた単価)を採用しているのではないでしょうか。

動物病院の棚卸しは数も多く、1つ1つ単価を入れなおすのは大変だとは思いますが、めんどうだからといって過去の単価をそのまま引用しないようにしましょう。

 

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